予想外のビワ苦労
 で、栽培が始まったが、これが苦労の連続の極み。
苦労話はあまりしたくないんだが、とりあえず振り返って述べてみよう。

 最初に買ったのは、通信販売で買った田中ビワの苗木一本。
本には、ビワは半日陰にも耐えられると書いてあったので、オレは日影気味の場所に植えた。
が、日当たりが悪すぎたせいか、甚だ発育不調で、冬に枯れてしまった。
あっけない。
やりなおしということで、通信販売で再び買うことにした。

 今度は田中ビワを二本買った。
今度は前回よりも多少マシな日当たりの場所と半日陰の場所に植えた。
だが、両方とも雑草に埋もれてしまい、発育不調となってしまった。
オレの管理が悪いせいだろうけど、雑草取りはツライからしょうがねえだろ、と言い訳しても、苗木の発育が良くなるわけがない。
発育不調は続いて、虫の害まで加わってヒドイ状態。
仕方ないので、とくにヒドイ状態の方は伐採して、ビワは一本だけとなった。

 しかし、この一本だけでは今後は危なっかしいと思った。
数でカバーしようと思い、新しく二本追加購入した。
これで、計三本になった。

 それにしても、ビワの苗木は値段が高い。
一本千五百円くらいで、他の果樹苗木の倍ぐらいもする。
しかも、ビワの苗木の高さは、苗木売り場でも、五十センチ以下の低いものが多い。

 これで、順調に育てばいいのだが、そうでなくて、他の果樹はすぐに高く伸びて周囲の雑草から抜け出すというのに、ビワは雑草に埋もれて発育不調気味。
なにしろ苗木自体が小さいうえに、雑草の方が勢いがありすぎる。
なんだか再び危なっかしいと思えてきて、それにビワ三本は多すぎると思ったので、最も日陰にあった一本を伐採することにした。
よって、一本減じて二本となったが、だが、日当たりは両方とも良い。
よし、これでゴー、だ。

雑草に埋もれたビワ
 ビワ二本は、ようやく順調に育っているように見えた。
オレは草刈りを何度もしていたよ。
エンジン付き刈り払い機で、バッサバッサと刈り取ったが、だが、一ヵ月もすると元通りのようになってしまうんだもんなー。
雑草は、根っこから抜き取ればいいんだろうけど、暑いときにいちいち草取りなんかやってらんねえよ。
第一、果樹畑の面積は広いから、全部なんてとてもムリムリ。
野菜の畑だったら、耕すことによって除草も兼ねるが、果樹畑で耕したら果樹の根っこまで切ってしまう。
それにしても、雑草対策にはホトホト困り果てた。
なかなか管理しきれん。

 とかなんとかかんとか思っているうちに、夏が過ぎたある日、ビワ苗木二本のうち、片方の一本が雑草に埋もれて枯れているのを発見した!。
あれれ、こうなるとわかっていれば、さきほどの一本は切らなかったのによー。

 結局、ビワは残り一本となってしまった。
ビワの果実は、まだ一個も収穫できていないぞ。
初めてビワを植えてから、もう五年以上たっているが、もう何やっているんだか。

新たなる苦難
 残り一本だけとなってしまったビワだが、これは日当たりが良い場所に植えてあった。
が、発育が変で、葉っぱがちぢれてしまう。
原因はよくわからんかった。

 葉っぱが密集していたから日照不足になると思い、ある年にしびれを切らして、ちぢれ葉を片っ端からむしってみた。
そしたら、ようやく順調に発育しはじめた。
若葉の段階で、他の葉っぱに押されて曲がってしまったらしい。
むしったのは、一九九八年春のことだ。

 が、今度は葉っぱが密集しなくなったぶんだけ風通しが良くなり、冬になったら、強い北風で葉っぱがちぎれて、だいぶ葉が減ってしまった。
それでも幸い回復し、一応木が高く伸びたことで雑草に埋もれることもなくなった。
これで一段落したけど、ふう〜、疲れた。

順調に育ち始めたビワ
 ビワは育つのが大変のろいような気がする。
ビワを植えている家庭では、普通はこんなに手間ヒマかかってないと思うけどなー。
オレはメチャクチャ手間どってしまったよ。

 一九九八年の初夏には、かなり順調に伸び始めた。
もっとも、このとおり雑草まみれの場所に植えているので、今までは管理が不十分だったと言えなくもない。
写真
ビワの木の高さは一メートルくらい
1998年7月6日撮影

 でも、ここまで育てば一安心で、雑草よりもビワの方が背が高いので、雑草取りとかは、あまり心配いらない。
あと数年すれば、ビワの実を収穫できるはずだ。


ビワのお成ーりー
 ビワの木に花が咲いた。
花すべてが実になるわけではなく、寒さの被害果がありそうだが、二〇〇一年は、花がたくさん着いたから、果実もうまくいきそうだ。

写真
開花したビワ 2001年12月30日撮影

 と、翌年二〇〇二年五月のころには、ビワの木に、小さな果実が、ごちょごちょと多数あった。
シメシメと思いつつ、このままいけばたくさん収穫できるぞ。
でもよ、期待してても収穫できないかもしれないから期待は禁物、今まで一度も収穫できなかったし。

 植えてから、もう十年ぐらいたつ。
前年は初めて実が少し着いたけど、何らかのトラブルでだんだん数が減って、最後に数個だけ熟したようだったが、カラスに食われたのか、結局ひとつも食べられなかった。
まだ収穫のことは考えないでおこう。

 ビワの果実は五月ごろは産毛に包まれたような形で成長しているようだった。
二〇〇二年六月、黄色く色付きはじめてきたから、それらがかなりギッシリの数で、今回は確実に収穫できることがわかってきた。
ウフ。
何気ないフリをしつつも、心では嬉しい。


ビワが初めて成った
 家から離れた畑に植えてあるから、カラスの被害が心配だ。
木がでかくなりすぎてアミをかぶせるのもわずらわしい。
適宜収穫して、遅れないように注意するしかない、と、待ち構えていたら、カラスの被害が少々発生してきた。

 オレも、皮やタネを木の周りに食い散らかしながら食べてみる。
全体的にはまだ熟してない、もう少し先か。
食べ方が、まるでカラスの食い散らかしとそっくりである。

 さて、五日後ぐらいか、次に見に行った。
ら、カラスの被害がかなり大きくなっていて、尖ったクチバシで、突っつかれた果実がかなり多い。
んも〜、完熟果が被害に遭っているわけで、今が収穫時だと判断した。
これ以上遅れたらカラスにみんな食われてしまうぞ。

写真
初めて収穫したビワ 2002年6月27日撮影

 というわけで、一気に全部収穫することにした。
もう、かなりの収穫量だ。
バケツにかるーく一杯、それ以上か、スーパーの買い物ビニールの袋にも満載して、合計ざっとバケツ二杯分、豊作だね!。


 カラスがほじくった被害果実が、全体の二、三割か、でも、それらは含めない。
正常な果実のみを収穫して、それが、バケツと袋で合計あわせて満杯の収穫。

 外観からは無表情に収穫しているように見えたと思うが、理想はニコニコしながら収穫してしまえばいいのだが、それは、もう収穫した瞬間から、今までの持たざる者の気分とは違ってきたのだ。

 今ではビワ果実、こんなにたくさんは、いらねえんだけど、しょうがねえから「我慢」して収穫だな、というあつかましいほど変化した贅沢気分だ。
果実のうち約半分は、近所の知り合いにプレゼントする。

 近所付き合いというわけだが、オレとしては、十年ぐらいの苦労の末に初めて収穫できた、しかも豊作、お宅にビワの木ないみたいだから、これいかがです、すごいでしょ、差し上げますよ、という、自己満足みたいなプレゼント差し入れであった。

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