果たして、次の年(一九九七年)は開花百以上。
花の色がハデ気味で、なかなかキレイな木じゃんか。
そうはいっても桜ほどではなく、花の付き具合はやっぱりスカスカしているが、見方によってはまあまあキレイな木だ。
早く実を付けてくれい!。
これだけ咲いたんだから、結実まちがいなしだ。
ところが!、予想外なことに強風により、このカリンは倒木してしまった。
一九九七年五月八日のことだ。
木の根元が虫にかじられていたためもあって、根元が弱かったせいもあるらしかった。
オレは倒れたカリンを立てて植え直したけど、結局、枯れてしまった。
このカリン、結局一つも収穫できず。
なんてこったい!。
一方、畑に植えたカリンは、いかに?。
畑の隅で、ほとんど日陰の場所に植えたが、なにしろ日照不足のため明らかに発育不調。
だって、日当りのいい場所なんて、もうなかったしよ。
それでもこのカリンはヒョロヒョロと伸びた。
幹の太さは一〜二センチほど。
だけど、幹に虫が食い込むのなんのって、穴の直径は一ミリほどだが、木クズが出てくるんだ。
穴ボコを棒でつついても退治できず、仕方なくその幹は切って、別の枝を幹として伸ばした。
これで安心、と思ったが、今度は新しい幹からも木クズが出てきた。
針金を突っ込もうにも、なにしろ直径一ミリほどの小さな穴だし、幹自体が細いから穴ボコはすぐ直角に曲がっているから、針金がまっすぐ入らねえ。
針金を差し込んで殺虫なんて、とてもじゃないけどできやしねえぞ、これはよ!。
これじゃ仕方ないから、オレはキンチョールを家から持ってきた。
で、穴ボコ内部に至近距離からブシューッと吹き込んで、これで殺虫した。
針金と違って、キンチョールは効果テキメンで、じつによく効く。
が、しばらくたつと、また新しく別の箇所から木クズが出てきた。
オレはキンチョールをいつも持っているわけじゃないので、木クズを発見しても手ぶらのときは、どうすることもできやしねえ。
あっちからもこっちからも木クズ続々噴出、モコモコという感じで、次から次へと発生して、しかも手が届かない高い枝からも木クズが出てきた。
もう、こうなっては手におえねえや、どうすっか、コンチュクショー!(こん畜生+昆虫、を合わせたシャレ)。
まったく、この虫はよく発生した。
このカリンの木は、それでもなんとか伸びて、予想外なことに開花までしてしまった。
一九九七年と一九九八年のことだったかな。
実がなることはあまり期待してなかったけど、少しとはいえ開花したのはうれしかったな。
実は成らなかったけど、ま、仕方ねえか。
「シンクイムシ」というのは、果実に食い込む虫を指すようだが、木の幹を食う虫のこともあるようだ。
カリンの実は虫が入りやすいらしいが、幹もこれほどやられるとはオレは予想外だった。
植えた場所が日陰だから、木が弱って害虫の被害が大きくなったんだろうな。
この虫食いカリンだが、日当たりが悪い場所だから、将来がとても危なっかしい。
いつまでもこまごまと面倒みてらんねーし。
この木はもうヤメ、ということで、新しく植え直すことにした。
カリン苗木を二本追加購入し、ろくに成らないスモモをちょん切って、二本のカリン苗木を畑に植えた。
一九九八年の春のことだ。
今度は日当たりの良い場所に、カリンを植えることにした。
新しいカリン苗木に将来を託すことにして、虫食いカリンもノコギリで切っちまった。
幹が細いから十秒ぐらいで切り終わって、五年ぐらい一応育てたであろうか、じつにあっけないもんだ。
オレの気持ちは、後悔やタメライや今後の計画など、あ〜だ、こ〜だ、いろんな思いが交錯していたが、えーい、やかましい!。
さっさと成らんかい!、成らねえヤツは切っちまうど!。
二本の新しいカリンは、オドシが効いたか、いや、日当りが良かったのがやっぱり効果大だな、その年の初夏からグングン育ちはじめた。
だが、夏本番は暑い。
夏の間、雑草ボサボサにしていたら(つまりサボった)、二本のカリンのうち一本が枯れてしまっていた。
根元から倒れていて、見たら、またしても虫が根元のまわりをぐるりとかじってあった。
で、あっけなく枯れて、折れていたというわけだ。
またかよ〜!。
西暦二〇〇〇年の時点において、状況としては、カリンはまあまあの発育ぶり。
初収穫はまだだが、今度は多分大丈夫だと思っているところだ。
成った成ったカリンが成った。
成ったのは二〇〇二年のこと。
パパイヤ型で、オレはこのタイプのものが前から欲しかったんだよなー。
昔の園芸カタログで、「パパイヤカリン」というものが紹介されていた。
カリンの果実の形が、パパイヤによく似た苗木が売られていて、そいつが欲しかった。
でも、結局買えなくて、悔しかった。
仕方なく近所から、何の変哲もない平凡なカリン苗木を買って育ててきたら、これが初めて収穫できたんだ。
偶然なことにパパイヤ型だ。
ラッキー!。
初めて収穫したカリン 2002年11月9日撮影 カリンには丸型もあるようだが、なにしろ食えない果実だから、果形でこんな楽しみがあってもいい。
食えない果実?。
そう、煮ても焼いても食えない、という困った果実ちゃんなのだ。
カリンの利用法といえば、通常は煮詰めたり焼酎漬けにすれば薬効?成分を利用することができるがねー。
夏がくれば思い出す、はるかな仰せたことは、親戚の甥っ子に「この実なんの実だと思う?」と訊ねたこと。
夏のカリンはまだ黄緑色で、ちょっと疑問な果実。
なんて言うかな?と楽しみにしていると「マンゴー!」と元気よく答えたので、まあ、そりゃ、黄緑の姿はフィリピン産マンゴーによく似た形だがな。
パパイヤという返事は無理だったか。
でもいいや、初めてのカリン収穫、苦節十数年。
採れた果実は、五〜六個かな。
カリンは、果実の表面に茶色の大きなシミができやすい果実で、これは赤星病の害によるものだ。
写真でいえば、画像右下の二個で、茶色に窪んでいるのは被害個所。
被害が特にひどい果実は、夏に取って捨てて、良い果実だけを木に残しておいたけどね。
美しい果実を得るなら、袋をかけたり、農薬散布をすればいいらしいが、大量に収穫できても持て余す果実かもしれないので、オレは〜、一応放任でもいいや。
※カリンは食べられないと思っていたが、煮たり電子レンジで加熱すると食べられるらしい。