ウメの開花ズレ対策はどうなったか
 梅の品種特性について補足の説明をしておこう。
白加賀は、梅にしては開花がとても遅くて、三月中下旬になってからだ。
そうはいっても、桜のソメイヨシノよりは早いけどな。

 こちら茨城県のオレが住んでいるあたりは気温がやや低くて、入学式のときは桜は咲かないことが多いので、桜吹雪の入学式というものは、オレは今まで経験したことがない。
満開は、新学期の授業が始まってから(四月中旬)が、いつもだな。

 サクラの開花と入学式が、東京はどんぴしゃ一致らしいけどな。
というわけで、茨城県北部だったら、ウメの花が方がいいと思うんだけどなー。
とくに白加賀は遅いし、豊後(ぶんご)というアンズ系統の梅はさらに開花が遅いし(桜よりは早い)。

 梅には、ピンク色の花が咲く品種もある。
豊後はそうだし、花香実(はなかみ)という鼻紙や花粉症を連想してしまう品種名のと、あと、徳島県特産の鶯宿(おうしゅく)という梅もピンク色だそうだ。
が、果樹の苗木売り場では、あまり見かけないので、こちら北関東の地域的に向き不向きがあるのかもしれない。

 白加賀につづいてこちらで多く売られているのは、最近では南高(なんこう)だな。
南高や梅郷は、受粉用としての意味もある。
南高はオロナイン軟膏(なんこう)をオレは連想しちまうのだが、育成に協力した南部高校の略称(南高)から命名したそうで、梅郷(ばいごう)という品種が、梅酒には良くても梅干にすると皮が破ける傾向が少々あるそうなので、梅郷は梅酒向き、南高は梅干向き、と一応用途別に分けられている。

 おお、そうだ、ウメの開花の受粉のズレ対策はどうなったか?だ。
梅郷は、どんぴしゃで、甲州最小という小梅と、白加賀の開花との、ちょうど中間に咲いた。
よーし、うまくいった!。

写真写真
小梅満開のように見えるが、拡大すると雌しべや雄しべはしぼんでいる
2005年3月22日撮影

写真
このころ梅郷は六分咲きといったところ
2005年3月22日撮影

写真
白加賀はこれから咲き始めるところ
2005年3月22日撮影

 甲州最小が最初に咲いて、しばらくして満開になったころ、梅郷が咲きだして、梅郷がちょうど満開になるころになって、白加賀が咲き出した。
これで受粉期はうまく重なった。

 受粉期が重なったからといって、うまく結実して豊作となるかどうかは、これは別の要素が絡むからまだ安心できないけど、受粉できるようになったことは良し。
なお、白加賀よりも豊後はさらに開花が遅いようで、花粉も少ないことから受粉用には使えないらしい。
あと、梅酒でなく、アンズの実を使った杏酒というものもこの世にはあるそうなので、これもいつの日かやってみることにしよう。

つづく

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