フェイジョアの実を成らせようと、苦労して十年近く栽培したが、今まで収穫は一個もなし。
おんどりゃあ!。
苦節のフェイジョア編、いってみるか!。
「フェイジョア」という果樹をオレが知ったのは、園芸の本で、だ。
ずいぶん古くから紹介されていたようで、図書館で見た本のなかでは、三十年以上も前に出版された古い本にも載っていた。
そもそもフェイジョアって、なんじゃ?。
古い本には、イラストや白黒写真が載っていたけど、イメージがどうもつかめなかった。
モノクロだとよくわからん。
しかし、近年の園芸本にはカラー写真が載っていた。
それによると、大きさはニワトリのタマゴぐらい。
果実の色は緑色。
果実が緑色というのは、とても意外だったな。
フェイジョアの果実 この写真はオレが撮影したものではなく、 別ホームページから引用したものだ(現在リンク切れ) 味については、オレが調べた本によると、バナナとリンゴとパイナップルを混ぜたような味、だったか、パイナップルでなくてミルクだったか、いかにもトロピカルいうか、魅力的な味らしかった。
本には、フェイジョアの花の写真も載っていた。
これがなんとも、じつに美しい!。
白い花びらと、赤いオシベと、黄色の花粉、という具合でとってもカラフル。
花としての形も、欧米風の花というか、ポリネシアの原色の花みたいというか(オレの勝手なイメージによる)、エキゾチックで、とっても日本ばなれしていている。
鑑賞用としても通用しそうで、キレイで見事だ。
この写真もオレが撮影したものではなく、 http://www.si.gunma-u.ac.jp/people/j/aoki/BotanicalGarden/HTMLs/feijoa.html から引用したものだ(現在リンク切れ) さて、花を眺めてうっとりしても、現実にオレ自身が栽培できるかどうかとなると話は別だからね。
フェイジョア栽培は、いかに?。
栽培は日本国内でも可能、ということは本を読んでわかったが、実際にオレの地域で栽培できるか否か?。
これが、オレにとっては一番大事だ。
フェイジョアの情報でオレが一番注目したのは、「マイナス十度の低温にも耐えられる」という記述だった。
これを知ったからこそ、オレはフェイジョア栽培に取り組んだといえる。
なぜこの情報にこだわったかというと、茨城県では冬は毎朝マイナスの気温になるが、かといってマイナス十度以下にまで下がることはほとんどないからだ。
マイナス九度ぐらいまで下がることはまれにあるけど、毎年あるわけじゃない。
平年の冬だと、最低気温はマイナス六度ぐらいかな。
それならフェイジョアは、オレのところでも露地栽培できるじゃねえか。
たとえ鉢植えにして玄関に置いたとしても、明け方は玄関の温度がマイナスになっても、フェイジョアは大丈夫ということになる。
たとえ屋外のまま、さぼって放置しておいても、まあ大丈夫なんだろう。
よっしゃあ!、オレはフェイジョアを栽培するぞ。
トロピカルフルーツの栽培だ〜っ!。
オレは固く決意したね。
ただし、今のうちから、おことわりしておくと、その後のオレの経験では、フェイジョアの耐寒性はもっと弱かったんで、苦労の始まりであった。
オラオラ!、高級果樹フェイジョア様?の栽培だあっ!。
資料でいろいろ調べたところ、フェイジョアという果樹もまた、二本以上の異品種を植えなければ、実が成らないものが大部分なんだそうだ。
まったく、またかよ。
ただし、フェイジョアの中でも「クーリッジ」というものは自家結実性で、一本だけで実が成るとか。
よし、オレはこれにするか。
果実がやや小さいそうだが、オレはクーリッジを植えることにした。
このクーリッジの購入についてだが、オレは「日本花卉」これは「にほんかき」と読むが、そこから買った。
日本花卉は埼玉県の大きな園芸店で、ここはカタログを春秋に出している。
苗を購入すると、カタログを毎年タダで送ってくれるのがありがたい。
ここのカタログにクーリッジが載っていたので、オレは通信販売で買ったというわけだ。
フェイジョアは特等扱いだ。
まずは、日当り確保から。
オレが果樹を植えている畑は、すでにいろんな果物の苗で満杯だった。
だけど、なにしろフェイジョア様だからね。
日当りの良い場所をなんとか選び出し、そこに植えることにした。
本によると、フェイジョアは半日陰でも育つ、と書かれていた。
だから、場所としてはそこで充分だろうと思った。
だけど、大きな問題があった。
オレがフェイジョアを植えた場所は、北西の風があたりやすい、のだ。
フェイジョアというのは暖地性の常緑樹だから、北風があたるのは良くないみたいだった。
う〜む。
そこで、なるべく林に近い所に植えることで、風が通り抜けにくい場所を選んだ。
だけど、北風がやはりあたりそうだった。
これが一番心配だった。
フェイジョアは、通信販売で落葉果樹と一緒に注文したから、十二月ごろに一緒に届いたように思う。
苗はヒョロヒョロしていて、頼りないこと甚だしい。
そのまま植えれば、冬の寒さで痛んでしまいそうだった。
結局オレは、冬の時期に植えてしまったような気がする。
今思えば、鉢に植えときゃよかったと思う。
なぜなら、畑に植えたフェイジョア様は、北風に吹かれて、葉っぱがみんな落ちてしまったからだ。
さっそくこのありさまだ。
うっ、失敗だあ。
林に近かろうと、やはり風はあたるのであった。
幸いなことに、このフェイジョアは冬の間、枯れなかった。
春になって、それもだいぶ遅くなってからのことだが、新芽をなんとか伸ばし始めた。
オレは、ホッ、としたよ。
よく生きていてくれて、ほんと、うれしかったよ。
それにしても、フェイジョアというのは、新芽が伸び出す時期が遅いみたいだ。
枯れちまったのかと心配したよ。
枯れているのかどうかの見分け方は、これは落葉樹でも同じだが、木の皮をちょっとひんむいてみる。
そんで、木の皮の下側が緑色をしていれば、OKだ。
緑色なら生きている証拠なんだな、これが。
たとえ常緑樹が全部落葉していても、木の中に鮮やかな緑色の部分があるなら、まあ大丈夫だ。
枯れているならば、木の中は全て茶色だ。
ただし、皮がはぎとりにくくて、中身の緑色が薄かった場合は、もうダメみたいだね。
で、幸い、オレのクーリッジは春になって芽を伸び出したんで、これでもう大丈夫だ、とオレは思った。
この夏に大きく成長してしまえば、これからの冬はもう大丈夫だと思った。
幼いうちは寒さに特に弱いみたいだから、大きく成長してしまえば、もう心配いらないはずだ。
だが、夏の間、クーリッジは雑草に埋もれてしまった。
つまりオレの管理が悪かったわけ。
日照不足になってしまい、成長が悪かった。
こりゃヤベエと思って、雑草刈りを何度もやったんだが、なにしろクーリッジの背丈はまだ三十センチもない。
二十センチぐらいだったかな。
雑草が伸びだすと、すぐに埋もれてしまう。
で、すぐに日当り不足になってしまう。
この年は結局、クーリッジは十センチも伸びなかったと思う。
こんな成長不良のまま、冬になったらどうなってしまうのか、とってもとっても不安だった。
というか、心配するもしないも、もう結果は見えてるってか。
ダメに決まっておろーが!。
果たして、その冬も全部落葉。
そして、枯れてしまった。
ひょっとして春になって芽を出すかも、と思ったが、やはり枯れてて、芽は出なかった。
あえなく失敗、となった。
クーリッジ栽培編おわり
次はフェイジョアのアポロ栽培編だ!。
フェイジョアはやっぱり暖地性の果樹なんだな。
冬が一番の問題みたいだし。
本で調べたら「フェイジョアはミカン栽培ができる地域が適地」なんだそうだ。
そうはいってもミカンについて調べたとき「ミカン栽培は、冬の最低気温がマイナス七度ぐらいまでの地域」とか本に載っていた。
フェイジョアの耐寒性はマイナス十度、という件はどうなるんだよ。
条件がなんだか矛盾しとるぞ。
ったく、しょうがねえな〜。
オレの所はミカン栽培はできねえから、やっぱり無理なのか?。
いや、オレのフェイジョアが枯れたのは、日当たりが不完全だったからだ。
日当たりさえちゃんとあれば、栽培できたはずなんだ!。
そう思ったオレは、フェイジョア栽培をやり直すことを決意した。
クーリッジの苗を再び買おうとしたが、そのころから日本花卉のカタログにはクーリッジの記載がなくなっていた。
なんでだ〜?。
ところで「山陽農園」という業者のカタログには、「アポロ」という名前のフェイジョアが販売されていた。
「アポロ」は自家結実性で、一本だけでも成るんだそうだ。
だけど新型品種のせいか、一本三千六百円だったかなあ、値段が高かったんだ。
どうすっか?。
こんなに高い苗、オレはそれまで買ったことなんかなかったよ。
山陽農園ではクーリッジは売ってなかった。
それにしてもアポロの値段は高い。
困ったが、他にないんだからしょうがねえや。
オレはあきらめてアポロを一本購入したよ。
そして今度は、日当たりを確保して大事に育てるぞ、と決意したわけだ。
つづく