盆栽コーナーでグミ発見
 二〇〇〇年六月十二日に、近所の大型園芸店へ出かけた際、ふと思い付いて、盆栽コーナーへ回ってみた。
お目当ては、「グミ」の木だ。
あればいいんだが。

 補足説明すると、一般的に果樹苗コーナーに置いてある「グミ」というのは「ビックリグミ」というものがほとんどで、これはグミにしてはびっくりするくらい大きな実がつくことから名付けられているようだ。
が、問題があって、花は咲いても実が成らないという事態が起きやすいことだ。

 一方、盆栽コーナーでは、実なり盆栽とでもいうか、実をつける鑑賞用の盆栽というものがあって、ヒメリンゴが比較的有名だが、ときたま、グミの盆栽もある。
このグミは、ビックリグミでなくて、もっと野生種のような小粒のグミの実がなる。
が、小粒であっても、これが、じつにたくさん成るんだ。

 小さくても、味はビックリグミとほとんど同じだし、オレとしてはたくさん成る方が楽しい。
木ばかり育って、収穫無しの事態はもうごめんだ!。
ビックリグミは、ジベレリン処理をすると成りやすいらしいが、処理自体がめんどくさそうなので、オレは小型のグミでいい。

 だけど、今まで、この小型のグミが、めったに見つからなかった。
だから、欲しくてもなかなか買えなかった。
以前に栽培してたやつは、病気で枯れてしまったしなー。

 で、それがだ、この日は盆栽コーナーで、鈴成りのグミの木を発見できた。
やった!。
※ここで述べるグミは夏グミのことで、秋グミは味がイマイチらしい。

グミの人気はあるらしい
 赤い実がゴテゴテと成っていて、ちょうど熟期で、うまそうじゃん。
もう、楽しそうな姿で、オレはすっかり気分がゴキゲンになり、いい木を選びだした。

 値段は、一鉢が約千円。
通常は二千円ぐらいするはずだが、思いのほか安かった。
気分は大変よろしい。

 鉢をぶらさげて、レジへ向かって、ついでに果樹コーナーをうろうろしながら歩いていたら、見知らぬおばさんがこちらを見ていた。
オレは、果樹苗をあれこれと見ながら歩いていたが、そのおばさんが言った。
「それ〜、どこにあったんでしょうかー?」
は?、このグミね。
さくらんぼには見えないとは思うが、やっぱりグミだとわかって、質問してきたらしい。
「盆栽のとこにあった。あっちの、あの人がいるあたり」とオレは指差して、教えてあげた。

 グミの実付きの鉢植えなんて、あいにくここの園芸店では、果樹苗コーナーには置いてなかったからね。
補足説明すると、小型のグミの鉢植えは、店によっては果樹苗コーナーにたまに置いてある。

 さて、オレは精算のレジのところに行き、ここでは人が並んで待っていたので、近くのタネ売り場コーナーでうろうろしてたら、今度は別のおばさんが、オレが持っている鉢植えをじっと見ていた。
赤い実がたくさん付いているから、目立つようだ。
「そのグミ、どこに置いてあります?」
やっぱり、こういうグミの鉢植えなんて、めったに見かけないせいだろう。
「盆栽コーナーの松とかが置いてあるとこにあったんですよー」とオレは答えておいた。

グミグミ収穫
 二〇〇一年六月九日にグミの収穫だ。
バラバラと赤く熟していた。
アミをかぶせているわけではないので、こんな状態じゃあ〜トリに食われてしまうな、と思いながらも収穫した。

 実のサイズはかなり小さく、びっくりぐみとは違うので仕方ないが、一センチ四方ぐらいの大きさだろうか。
でもたくさん成ったので、これで良し、とする。
グミの味覚の特徴として、シブ味があげることができると思うぞ。
渋柿ほどではないが、今の世の中の果実としては、渋柿に次いでシブイというか、問題ではない程度のシブだがな。

 あと、歯ざわりがちょっとグニグニしている。
ヌルッとしているというか、グニョとしているというか、果実としては独特な歯ざわりだ。
子供向けの駄菓子で「〜〜グミ」といって、ガムを食っているみたいに弾力性がある菓子があったが、でも本物のグミはそれほどそんなに大げさな歯ごたえがあるわけじゃあーない。

写真
2001年6月9日撮影

 写真では果実がややオレンジ色がかっていて、真っ赤な果実ではないが、たぶん完熟果実はトリに食われてしまったんだと思う。
と思っていたら、この時点ではまだ食われていなかったようで、一週間後の六月十六日には一粒残らず無くなっていた。
全部食われちまって、なんてこったい!。

グミが成った成った
 今回は多いぞ、ハンパじゃない。
ゴテゴテゴテにぎっしりびっしり成り並んだ。
写真
大量に成ったグミ
2003年6月13日撮影

 ビックリグミではなく、もっと小さな実のグミだ。
オレはせっせと摘んでは、手の平にごってり集めてまとめて、口に入れてガブガブ食べた。
が、それでも一向に果実の数は減らない。
果実の数はいっぱいある。
味は少し渋いので、あまり大量に腹一杯までは食べられない。

 ジャムの加工にはあいにくながら不向きで、シブの成分が邪魔なためだろうか。
毎日のようにせっせと食べたが、うーん、十分の一くらい食べただろうか。
なつかしい小果実も、無いときは憧れて、少し成るとうれしくて、大豊作となるともういいよ、となる。
ゲップ、もう食えません。

 トリが来て食べてくれればと思っていたら、バサバサと小鳥よりも大きめのトリが早朝に登場。
ヒヨドリらしいが、このトリに大体あらかた食べてもらった。
喜んで食べてくれるだけでも、オレにはありがたい。

新しい選抜グミが登場
 さてさて、ゴテゴテ成ったのは、ただのナツグミというか、ビックリグミとは違うけど、それにごくごく近い種類だ。
ビックリグミの果実の成りの少なさが最近は多少有名になったのか、代わりに「大実苗代グミ」というのが登場しているのを苗木売り場で見つけた。

写真
大実苗代グミの実。ビックリグミより良いかも。
2003年6月8日撮影

 ナワシログミとは名付けられているものの、正式なナワシログミの種類とは違って、実際にはナツグミの一種だが、ゴテゴテ成ったグミの木よりは、成りが少なかった。
でもビックリグミよりは多い。
それらのちょうど中間ぐらいかな。

 やや少しさみしい成り具合の数だが、味は渋味がより少なくて、やや上品な味で、やや大きめで、綺麗な外観の実が成った。
ぽってりとしたおいしそうなグミだ。
ビックリグミよりはサイズは小さいが、ゴテゴテグミよりは少し大きな実だし少し早生で、なんといっても大量に成り過ぎると有り難みが薄れるという事態により、グミに関しては、オレはこの「大実苗代グミ」を庭で育てることにしたよ。
ゴテゴテ成るグミは、畑の方にでも植え替えちまおう。

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