ワイルドストロベリー登場!
 前から食べてみたいと思っていたワイルドストロベリー、これはタネから育てる四季なりイチゴでもあるんだが、ちょうど、笠間クラインガルテンの石垣に植えてあったので、二〇〇二年五月八日に寄っては食べまくる。

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石垣の間にイチゴの苗を植えてある
2002年5月12日撮影

 ころ合い良しと見込んで来たので、ちょうど開花もかなり前にあって、イチゴが成ってるねえ。
普通の栽培イチゴとワイルドストロベリーが混在して石垣に植えてあったが、果実の大きさが違うのですぐわかる。

 ワイルドの大きさは事前に得ていた情報のとおり、小さいね。
小指の第一関節までよりも小さめくらいだ。
というか、手の小さい人ではそれくらいかな。

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ワイルドストロベリーの大きさは、小指の先っぽ以下
2002年5月12日撮影

ワイルドストロベリーの味は?
 丈夫で育てやすくて、春から秋まで成り続けるというイチゴの種類だから、これでうまけりゃ小さくてもかまわんよー、といえば、うまくなければならないのだが、どうしたこったいこれは、なんか味が薄いぞ!。
果実としては、ややフカフカして実感が薄い果実なのは仕方ないにしても、確かワイルドストロベリーは強い香りがあったはずだと情報で得ていたんだが…なんか、変だなあ。

 仕方ないから、とにかく摘んでは食べまくる。
緩い斜面の石積みに登っては、あっちで数粒こっちで数粒と収穫して、連休明けだというのにけっこう成っていたから、クラインガルテンという趣味の園芸愛好家が集まる有名場所でも、ワイルドな果実はまだまだそんなに利用されてはいないらしい。
では、このオレ様めが今のうちに、どんどん収穫させていただきますよ、やったね。

 普通の栽培品種のイチゴもけっこうボチボチ成っていたから、これもついでに食べると、こりゃどうしたことか、普通のイチゴの方がうまいじゃねえか。
こんなはずだったか?。
むむむ、アリンコに食われて、赤身のないイチゴがけっこう有り有り。

 石垣に登って何か収穫中のオレみたいな不審な人物を見かけりゃあ、周りから怪しいと思うのも無理のないことで、何を採っているのかと足下を見ればイチゴが丸見えなんだから、その数人連れの歩行者から仲間内の会話が聞こえてきた。
「イチゴ成っているよ、採るならそれ、小さいのでなくて大きいの」

 とかかんとか、ワイルドストロベリーは小さい果実のせいか、まだまだ有名ではないようだ。
ワイルドストロベリーというても、ヘビイチゴよりは大きいのだから、そんなに小粒というわけでもないと思うがな。
よし、改めて後日きたときは、オレがまとめて収穫しよう。
本日(二〇〇二年五月八日)は臨時立ち寄りで時間がないもので。

ワイルドな味と育ち
 二〇〇二年五月十二日に収穫に行ってきたよ。
ワイルドストロベリーは大豆くらいの大きさとか聞いてたけど、なんだか、それよりも大きいものが多いな。
ワイルドストロベリーって、いちいち名前が長えんだよ!。
入力するのがめんどくせえんで、以下ワイルドと呼ぶ。

 ワイルドにもいろいろ系統があるっつうことで、ここのは細長くてわりと大実の系統らしいが、丸型で小粒の系統もあるらしい。
大きいといっても、ワイルドの果実の中でも最もでっかい果実が、「普通」のイチゴの小粒のサイズほどの大きさだけどね。
ところでよ、ワイルドストロベリーの香りは、とても強烈な香りがすると情報では聞いていたのだが…。

 ここのワイルドは、香りも味もそんなに強くなくて、ずいぶんとおとなしめ。
淡白君だ。
完熟した大きな果実に限っては、それは数も少なかったのだが、イチゴとケーキのクリーム(ホイップ?)の混ざったような、洋菓子のような独特の味がしてうまい。

 石垣のワイルドの育ち具合をみると、株が大きく生い茂っているほど、大きな果実も成っているようだ。
一方「普通」のイチゴも、石垣に植えられていた。
が、普通のイチゴは、たぶん女峰や宝交早生などが使われているようだが、これらの石垣での半野生栽培は、味はイチゴらしいものの、出来が酷い。

 腐ったもの、小粒のもの、ゆがんだもの、酸っぱいもの、で、ワイルドよりもかなり状態が悪い。
理由の一つとして、ワイルドの果実は、柄の先にぶら下がっていて、空中に浮いた状態に成っていて、果実は地面に触れていない。
普通の栽培種のイチゴは、果実が大きいせいもあって地面に接触してしまい、どうしても腐りの原因になってしまう。

 あと、普通のイチゴは、栄養が不足したり、二年以上も同じ場所に生えていると、茎の根元付近にゴチャゴチャと花が咲いて、柄も短くなる傾向がある。
そのせいか、成っても果実が、どれもこれも、日光不足や、地面の土が付いたり、隣の痛んだ果実の腐敗が移ったりで、残念ながら、野生的な栽培は、味を除いてはワイルドストロベリーの勝ち。

 ワイルドの栽培についてだが、オレ自身も今までに何度もやったことがあるよ。
四季成りの性質もあるということで、秋まで成るというので、やってみた。
それがな、どうしたことか、オレの管理が悪いのだろうが、いつも発育不良で、失敗つづき。
なお、ワイルドストロベリーの栽培は、一般的には「とっても簡単」なんだそうだ。

ワイルドジャム
 ワイルドの果実をたくさん収穫したので、イチゴショートケーキのトッピングに使おうか?と、その前にイチゴの果実を細かくチェックしようと思って、よくよく見たら、アブラムシがイチゴの果実のタネと同じようにへばりついているのを発見した。
このアブラムシがとりにくい。
水で洗い流そうと、鍋に入れてゴロゴロかき回していたら、イチゴの柔らかい部分が砕けてきた。

 アブラムシを完全にとりのぞくのは難しいな、こりゃ。
やや洗い過ぎて、イチゴの完熟したものは、なんかもう〜、グチャッとしてきたので、あきらめて火にかけてみた。
水分過多と思えたので、途中で水はすべて捨てて、果実だけで煮てみた。
砂糖は加えていない。

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ワイルドストロベリーでジャムを作ってみた
2002年5月12日撮影

 煮崩れしたころ完成、というわけで、元ハチミツが入っていた小瓶に詰めて、できあがり。
ビンの高熱滅菌や、砂糖で防腐はしていないので、冷凍庫に入れて保存しなければならない。
と、思っていたのだが、ビンに入りきれなくて余った果実をどんどん食べてみたら、これがな!、苦いでやんの。
ニガいジャムだ。

 すっぱさと苦味が混じった味で、よく洗っておいたからカメムシは混じってないハズだが…。
アブラムシの取り除き方はわからんし、砂糖を一杯加えてから煮れば甘さでこの苦味にも気付かなかっただろう。
う〜む、わからん、お手上げだ。

翌年にも訪れてみた
 5月ごろは果物の収穫はまだなんだけど、あ、そうだっ、昨年この時期にワイルドストロベリーを摘んで、ジャムを作ったっけ。
さっそく向かった先は、笠間クラインガルテン。
斜面の石垣にワイルドストロベリーが植えてあったのを思い出した。

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笠間クラインガルテンにて
2003年5月29日撮影

 食べると、うほっ、うまいねえ〜、イチゴミルクのような濃厚なおいしさだ。
昨年食べたときよりも、明らかにうまくなっている。
うまくなった原因はわからない。

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 同じ場所で見つけた普通?のイチゴもあったんだが、これは生育不振気味。
うーん、小さいな。
ワイルドストロベリーも、生育の勢いはおとなしめになった感じ。

 さらに翌年以降も、オレは笠間クラインガルテンを時々訪れて観察したけど、イチゴは同じ場所で栽培しつづけると、連作障害を起こすのか、同じ場所のままでは消滅していってしまう様子だったなあ〜。

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