成せばナス
 ナスは果物じゃないけど、(甘い味ではないが)実が成るわけだし、野菜・草?といえども幹らしきものが伸びて、ベリーの木と同じような形に育つので、果樹とは少しだけ似ているような気がする。
このナス栽培について、ちょいと述べてみよう。

 野菜のナスは味が甘くねえし、フカフカしていて子供のころは好きじゃなかった。
だが、年をくって味覚が変わったせいか、最近はよく食うようになった。
な〜に、肉や油とナスはよく合うので、肉料理にナスを加えるというだけのことだ。

イラスト

 一九九九年の六月、家庭菜園の場所がたまたま確保できたので、あわてて何か植えることになった。
それにしてもオレ、果樹栽培はしても野菜栽培はしてなかった。
それは、野菜は甘い味のものが少ないことが主な原因だが、雑草取りが大変だからだ。
暑いさなかに、地面に這いつくばって草取りするのはオレは絶対いやだ。

マルチング
 というわけで、ホームセンターに行って、マルチング用の黒いシートを買ってきた。
マルチングはマルチとも言うが、マルチ商法をオレは連想しちまうぜ。
マルチングは、農業では大変よく行われている方法で、野菜の根元に黒いビニールシートを敷き詰める方法だ。
雑草が生えなくなるという利点がある。

 このマルチングをオレはやることにしたわけ。
黒いビニールシートは水を通さないので、これでは雨水利用ができないので、オレは水を通す特殊な黒シートを買ってきた。
ラブシートと言い、ちゃんとした農業用資材の商品名なんだが、なんでこんな名前だか、恥ずかしくて口に出しづらい名前だ。

 家庭菜園の畑に腐葉土三袋をぶちまけて、実家から持ってきたシャベルで混ぜた。
さらに溝を掘って、ラブシートのすそを埋めた。
もう、汗だくだ。
で、園芸店で野菜苗をテキトーに選んで買って、ラブシートに穴を開けて、野菜苗を植えた。
野菜栽培のことは、オレ、な〜んも知らねえので、なるべく多くの種類を植えて、何かは当たるようにしといた。

水やりと大収穫
 ラブシートは通気が良いということだったが、予想外なことに水をはじいてしまうことが判明した。
シートに穴をたくさん空けたが、一九九九年の夏は猛暑が続いたこともあって、結局、毎日のように水やりをするハメになった。

 シートがあるおかげで、草取りはあまりやらずに済んだ。
一応成功したといえるだろう。
周辺だけは草が生えるので、そこは草取りしなきゃならない。
結局は、暑いさなかに草取りすることになってしまったけどな。

 いろいろな野菜を植えて、不調のものもあったが、ナスは大成功だ。
続々成りはじめた。
黒い果実みたいなのが、急速にでっかく育った。

 あまりの速度にちょっと驚きだ。
それを収穫しても、数日後には次のナスがグングン育ってくる状態で、うれしい忙しさだ。
大豊作で、満足であった。

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