ヒンボートップ登場!
 パソコンのハードディスクが壊れて、バーバンクのつづきの原稿が消えてしまったぜえ…。
あーあ、痛い。
ともあれ、今までの話を要約すると、オレのラズベリー栽培は、果実の増産が思うようにいかないので困っていた。
バーバンクの作った Japanese golden Mayberry が入手できれば、収穫が極早生で理想的!だと思うんだが…。
この苗が入手できないしさ。

 しょうがないな。
かといって、交配して品種改良を自分でやるのは、超・大変だからあ〜、良いのができるかどうかもわからないし、オレは乗り気じゃないが、渋々考慮することにして、えーと、もし、やるとすればだ。
モミジイチゴと、西洋のラズベリーを交配すれば良いんだな。

 どうせ交配させるなら、親品種となるラズベリーは、実が大きい新品種がいいな。
グーグルで、ラズベリー品種を検索してみる…。
と、こんな過程で、見つかったのが「ヒンボートップ」というもの。
スイスで作られた品種ということだが、それにしても、ヒンボーとは…。

 びんぼう=貧乏、を連想してしまうぜ。
貧乏トップか?!。
あんまりだっ!。
皮肉かあっ?。
ヒンボーヒンボーって、連呼しない方が良さそう。

 スイス語?のネーミングはともかくとして、通信販売を利用して、天香園からヒンボートップの苗を買ってきたぞ。
2011年に購入して、すぐ露地に植えておいた。
とりあえず成長優先だ。

 ヒンボートップの苗は、ちょっと茂ってきたが、まだ開花は無さそう。
買ったばかりで、苗が小さいし。
うーむ、初年度は仕方ないや。
いざ、冬を越して、2012年の春になった。

品種改良はどうやるんじゃい?
 品種改良をするならば、どういう手順でやればいいんだろう?。
まずは、ラズベリーであるヒンボートップの花が咲いたら、モミジイチゴの花粉つければいいんじゃね。
実が成ったら、タネを取り出して、苗床に蒔く。
発芽させて、ヒンボートップのタネから芽生えたとはいえ、モミジの葉っぱのようなモミジイチゴの姿形をしたものを選抜だな。

 再確認してみる。
ヒンボートップの花が咲いたら、モミジイチゴの花粉をつける。
ヒンボートップの花からおしべを取り除いたり、受粉後に袋をかぶせるなどは、面倒くさいから省略する。
実がなったら、そのタネをまく。

 ヒンボートップのような西洋ラズベリーの雰囲気をもった苗がたくさんできるだろうが、その中でも、モミジイチゴのモミジのような葉っぱをしたモミジイチゴの色濃いものを選抜する。
西洋ラズベリーの葉っぱでも、モミジイチゴの早生の性質だけを受け継いだものも現れようが、それを見抜くのはオレには困難、面倒くさいので、モミジ葉だけで選抜する。

 目的は、モミジイチゴの極早生でありながら、西洋ラズベリーのように良く成る結実性が良ければいいのだから。
それにしても、作業が面倒、面倒って、オレって重症だな。
お次は、これら選抜した苗から、花が咲くのは早いものだけを選抜する。
極早生ねらいなのだから。

 次いで、たくさん実がつくものを選抜する。
モミジイチゴは花はよく咲いても、あまりにも結実性が悪いという大欠点があるからだ。
西洋ラズベリーの結実性の良さを導入させるために、交配させるわけだ。
モミジイチゴでありながら、ヒンボートップの良い結実性を受け継いだものを選抜する。
ここで該当苗があれば成功となろう。

 次になって、ようやくここで、ラズベリーの味や大きさ、などの賞味のチェックとなるが、特に悪くないのであれば、全て合格。
極早生で結実性も良い、という苗ができれば、成功ということになる。
完成までのだいたい予想としては、5年〜10年かかるんじゃねえかなあ〜。

 あー、気が遠くなるぜ。
振り返ってみると、そもそもの目的は、極早生のラズベリーを作ることであって、というのは、一般のラズベリーは梅雨に入ってから熟すので、腐ってしまって、大量収穫しにくいからだ。
ところがだ、緊急追記として、ヒンボートップがな、これがな、2012年の初成りは6/5に熟した。

写真
6/5に熟したものはすぐ食ってしまったので、これは翌日の2012年6月6日撮影のもの

 恐るべき早生っぷりで、梅雨前だぞ。
えー、これじゃもう、交配の必要無いんじゃない?。
しかも初秋からも実が成る二季成りだし。

 えーと、元の話である品種改良・交配の話を続けるならば、「美女と野獣」のように、二つの異なるものが結ばれて、素敵な結果が生まれるかもしれないしな。
美女=ラズベリー、とすれば、日本のモミジイチゴは、やっぱり野獣の方だろーな。
2012.6.6 記
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