ハスカップ摘み取りに行く
 北海道へ行くには、七月二十日を過ぎると夏期の割増料金になるし、超混んで予約も難しくなる。
緊急で出発だっ!、ということで、大慌てで準備して、茨城県大洗港から大型フェリーに乗り込んだ。
大海原を眺めながら船上レストランで食事をして、タイタニック号の航海もこんな感じだろうと思いつつ、豪華客船の船旅の気分に浸った(フェリー誉めすぎ)。

 オレの目的は、日本一の水質を誇る川でカヌーの川下りだぞう!(十勝の歴舟川)。
そして最高の環境に、最高のシーズン、最高の天候に恵まれ、充分すぎるほど楽しませてもらった。
ニンマリとすっかり満足して、宿泊地の夜のこと。
そうだ、今は「ハスカップ」の収穫期かもしれないぞ?。

 地元の電話帳で調べてみると、「金田ベリー園」でハスカップのほか、カーランツ、グスベリの摘み取り園をやっているという。
こりゃいい!、ぜひ「ハスカップ摘み取り」に行きたい!。
※グスベリ=グーズベリー
 場所「金田ベリー園」北海道 新得町 屈足 緑町 西三(観光地トマムの隣町だ)
 園を訪問した日は西暦二〇〇一年七月十四日。
「金田ベリー園」

 クルマで向かう。
見渡すくらいにだだっぴろい畑作地で、ポツンとその摘み取り園はあった。

 客は来るのか?。
と、心配になったが、店番におばあさんというか、おばさんがいて、ちっちゃくて幼い男の子も一緒にいた。
その男の子の口の周りが、紫に色が付いているのがなんともおかしい。
ハスカップを食べた証拠だ。

 さっそくオレも摘み取り開始だ。
ふふふ〜っと(微笑)。
行き当たりばったりの思いつきで来たのに、ハスカップの収穫期に出会えてとってもラッキー、カーランツもグズベリも味見しよっと、ルンルン気分でハスカップをつまんで採ってみる。
お味は?。
ほう、なかなかうまいじゃん。

写真
イメージとしてはこんな感じで、ギッシリ成っていた。
ただし、この写真はオレが栽培したもの。

 味はブルーベリーに似ている。
ハイブッシュブルーベリーほどの旨さではないが、ブルーベリーに比較的よく似ている。
果実の数の成りは、これがかなり多い。
果実のサイズも、想像していたよりも大きめで、一センチ四方くらいか。
ナツグミぐらいの大きさだ。

ハスカップの味覚は?
 ブルーベリーとグミが合わさった感じの果実が「ハスカップ」というべきか。
果実は小さいから、収穫はさぞ大変だろうと思っていたが、果実が二つか三つ並んでぶらさがっているものが多くて、一度に二つずつ摘み取りできた。
ひっぱると柄が木に残って、果実だけ採ることができる。
小さな果実のわりには、なかなか収穫しやすい。

 どんどん口に放り込んで行き、タネは小さくて柔らかい?ので、舌に感じないこともあって利点だ。
この園のハスカップは果実の形がバリエーション多数で、ヘンテコリンで、表面デコボコでヒョロ長のサツマイモ型、洋梨型、ニンジン型、スマートなレモン型、丸形、二果くっついた合体型まで、多彩だ。

 モノによっては味が甘目のものもあるように感じたのだが、それよりも大変大きな問題があって…、ほとんどのハスカップに共通していた事項なんだが、「ハスカップの味がニガイ」のだ。
気のせい木のせいと思っていたが、木をとっかえひっかえしていても、ニガくてそのうち食べ続けるのが苦しくなった。
こりゃあ、ハスカップの生果実はやはりニガイんじゃねえか?。

 グミの渋味とは違う。
完熟すればマシになると思ったが、完熟(過熟?)果実はひっぱって収穫するときにつぶれてしまい、果汁がブチュウとハミ出てくるのだ。
千歳空港の土産品としてハスカップお菓子がよく売られているけど、商品名の割には果実の含有割合が少なすぎるものが多いが、ハスカップ果実をたくさん混ぜた菓子は味覚的にも問題があるのかもしれん。

※この年は数日前まで雨や曇天の天候不順がずっと続いていたので、果実が苦くなったらしい。

 ハスカップの成熟期は、オレが行った七月十四日のころが最盛期のようで、ベストシーズンのようだ。
周りが畑だらけで孤立的?な観光農園のように見えたので、摘み取り客はどれほど来るのか心配に思ったが、そのわりには五〜十人くらい来ていた。

 しゃがみこんで採っている他の人の収穫を見ると、ハスカップがギッシリ一キロ以上、二〜三キロぐらいも採っていただろうか。
業務用として業者の人が採りにきているのかと思ったが、後で判明したこととして、農園で雇われているパートの人が混じっていて、出荷用として収穫中だったらしい。

ベリーベリーベリー
 ここの園は他にもベリーがあるんだっけなーっと、カーランツはどうかな〜っと(カーランツ=房スグリ=カラント)。
レッドカーランツ発見!、食べてみる。
酸っぱいけれど、フムフム、プチプチこの味まさしく房スグリだな。
ショートケーキの先端に数粒ずつ載せると上品なベリーだ。

写真
これもイメージ写真。ウチで栽培したもの。

 おっと隣にあるのは、ホワイトカーランツじゃねえか。
熟した状態で、果実が白い色だ。
レッドカーランツも未熟な果実は白っぽくて、ホワイトカーランツの未熟な果実も白いから、ホワイトカーランツだと、どこが完熟しているのか全然わからない。
適当に摘み取って、バリバリバリと食べるとウ〜ン、ホワイトカーランツは見た目がとってもおしゃれで上品で綺麗なんだけど、熟期見分けに難ありかな。

 たしかパンフレットにはブラックカーランツもあったはずだ。
見〜っけ。
他のカーランツに比べると、房の果実の数が少なくて、粒のサイズが大きい。
お味は、サクサクッとセロリみたいな味だ。
水気も少なくて、なんだか独特な味覚で、オレは気に入った。

 グズベリーは、まだ未熟の状態で、シーズンが遅れることがわかった。
小粒のと、大粒のグズベリーがあった。
なお、ブルーベリーはなかったと思う。

 入園料はなく、持ち帰り量の計測で百グラム百円だった。
オレがカゴに摘んだのは少量で、二百グラムだったから、支払い料金はたったの二百円だけ。
旅行中なので、もう帰らねばならなかった。
この園では、自分で採った果実でジャム作りもできるらしいけど、ちょっとよくわからない。

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