北海道でサクランボウ将軍
※サクランボと時代劇「暴れん坊将軍」をかけ合わせた題名だが意味はあまりない。

 北海道での一種の秘境地というか「オコタンペ湖」に、梅雨時の真っ最中だが出発!。
なにしろ梅雨がない北海道なので、見事に晴れ渡ってサイコーであった。
オコタンペ湖ってどこ?、というと、支笏湖の上流の方にある。

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恵庭岳とオコタンペ湖とカヌー 2002年6月26日撮影

 見事な景観とブルーの湖水を楽しんで、さて午後には帰ろうかと、調べたら苫小牧港のフェリー便には早めに到着しそう。
じゃあ果樹園に寄っていこう、というわけで苫小牧市のハスカップ園がいいと思ったが、果樹園の情報が見つからなかったので、結局向かった先は札幌市の南区だ。

 道ばたの看板によると果樹園は、イチゴとサクランボか。
よし!、サクランボの摘み取りだ。
と、クルマを停めて、直売店の人と話してみると、直売だけでサクランボの摘み取りはやっていない、という。

 それに、サクランボの季節にはまだ早くて、七月になってからだという。
七月から?。
ちょっと遅いのでないかと思ったが、他の園も同様だというし、早生の赤黒いサクランボを買って帰ることにした。

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品種はわからず
2002年6月26日撮影

炸裂サクランボウ!
 と、帰り道で、道ばたの直売所の脇で、サクランボが実ってて、同時に販売中の直売所を見つけた。
あれ、あの木を摘ませてもらおう!。
店の前に停めて、まず直売所の商品を買うことにする。
サクランボのパックは、一パック三百円だが、割れたサクランボは二パック相当の大型パック入りで三百円だという。

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裂果したサクランボは、一般の商業流通には流れない
2002年6月26日撮影

 割れたサクランボというのは、雨で裂果したものだ。
普通は商品価値は全然ないが、味はほとんど変わらんし、今のオレには安い方がいい。
「あのサクランボの木、摘ませてもらってもいいけ?、あれ、あの赤い実。」
「あれは見た目いいけど、固くて食べられないよ。オニーサン、福島出身?」

 もらっても「いいけ」?、とか、オレの発音やイントネーションが変なせいか、茨城生まれのオレとしては福島出身のおばさんと発音が近かったらしい。
結局、やや強引に頼み込んで道ばたのサクランボを摘ませてもらう。
花芽ごとむしってしまいそうで、力もやや要り、サクランボ摘みはやや難しい。

 味は、そんなに悪くなく、固めだが、けっこうイケルじゃん。
どうやら佐藤錦の木だったようだが、まだ季節的に未熟だったせいと、基本的に摘取り体験はしていないらしく、直売だけみたいで、あまり摘み取って食べることはできなかった。
ううむ、残念だが、ともあれ、サクランボの摘取りはさせてもらったのだから、これで良しとしよう。

 帰りの車中で、パックで買ったサクランボをバクバク食べる。
赤黒いものは、味はいまひとつであるが、割れたサクランボの方が、甘味がやや多めでうまい。
サクランボを黙々とボリボリ食べつつタネを口から出していると、このシーンは太宰治だったか小説「桜桃」の最後の場面にそっくりだぞ、と思ったのであった。

参考URL「桜桃」
http://www.mint-j.com/fruit/07/07_04.htm

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