いざ上洛!、銀座千疋屋へ
 「千疋屋」と書いて「せんびきや」と読む(上洛は、じょうらく)。
難しい読み方だと思ったが、銀座の高級果物店「千疋屋」に一度は行きたいと思ってたんだよなあ、オレは。
一個千円の柿だの売っているらしい。
ところで、そもそも銀座って、東京のどこにあるんだ?。

 東京の新橋駅の近くだそうだ。
が、新橋駅ってどこさ?。
JR山手線の駅で、東京駅の近くにあるらしい。
ようやくわかった。
いざ上洛っ、オレも東京さ行くだ!。

 で、JR山手線の新橋駅を降りたのは二〇〇一年十二月二十二日のこと。
クリスマスソングがシャンシャンと鳴り響き、歩道には黒いアタマと寒色系の服装をした青年男女がぎっしりと歩道を歩いてて、イマドキの若者は金髪と蛍光ド派手の服装スタイルだとオレはアホウな想像をしていたので、道行く人を見て安心したというか、若者ならもっと奇抜なカッコをせんかい!と勝手に思った。

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銀座千疋屋はどこだあ〜 2001年12月22日(土)撮影

 さて、日本の果物専門店の頂点に立つ「千疋屋」はどこに?。
千疋屋はフルーツパーラーだのフルーツポンチの言葉を生んだ老舗(しにせ)の店だ。
日本のフルーツ界トップの姿ここにあり、銀座で昔からやっている高級果物専門店だぞう、と期待一杯で、地図を片手にウロウロして、目的地になんとか到着。
のはずだが、「千疋屋」の看板は全く見当たらないので、変だなあ?。

 あとで知ったことだが、千疋屋本店は倒産していたのだった。
ガーン!、なんじゃそりゃあっ!。
千疋屋といっても系列や支店だのがイロイロあって、支店(のれん分けした独立店らしい)として地図には、もう一つの千疋屋が載っていたので、そこへ歩いて行くことにした。
と、ホッとしました、ありました、ちゃんと営業中だ。(※日曜休業の店もあるので注意)

 小さなお店ではあるけれど、店頭には果物がやや少々、一個五百円(一箱ではない)のイチゴの箱詰めがあって贈答用だろうけど、これはどんな味がするのかな。
二階にフルーツパーラーといって果物の喫茶店コーナーがあることがわかったので、さっそく階段を上る。

 銀座で地価が高いせいか店内はかなり狭い。
設備だって超高級というわけではなく上等レベルだが、なんといっても歩道の人通りが、イナカの市街地の百倍ぐらい歩行者がいるので、店内は人で一杯だ。

 やや小さなテーブルに案内されて、T&Fさん宅(午前に訪問していた)でもらったブルーベリーの苗木を手提げ袋に満載して持参中で、我ながら異様に目立つカッコであるが、それにしてもここフルーツバーラーにくる客というのは二十〜三十歳、四十歳ぐらいまでの平均年齢三十歳の女の人ばっかりだ。
男も少しいるが、女性と必ず一緒だし、ここに連れられてきたという顔をしている。

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冬の季節のためかイチゴを使ったものが多い 2001年12月22日撮影

 さっそくフルーツポンチと果汁のグレープジュースを注文して頼む。
果物屋から発展した店であるが、かといって、果物を使った「独特な」メニューが数多くあるというわけではなく、かつての本店では新規開発に熱心だったらしいが、この支店?では、ジュースやヨーグルトやゼリーなどの洋菓子メニューに果物が比較的多く使われている程度といったところだろうか。

 現に他人の注文した料理をチラチラと観察して見ると、フルーツパフェがテーブルに載ってて、ヨーグルトが入った皿に何か果物が混ぜてあったり(フルーツアラモードか?)、果汁ジュース?があったりして、果物の姿のまま食べてる人は見当たらない。
つまり大体は喫茶店メニューと同様だし、使われている果物もリンゴやグレープフルーツ、イチゴなど、一般的なものばかりだ。

 一個八百円のフルーツポンチは、切り刻んだ果物を混ぜ合わせてシロップでまとめてあり、果実の量は丸ごと一個のリンゴを使っているわけではなく数分の一で、各種果物を使っているにしても果実原材料費はかなり安いと思う。
もはや、果物はナマの姿のまま食べられることは減りつつある、たくさんの量はいらないから少しでいい、そして上品に、という方向に流れつつあるのだと感じた。

 果物は嗜好品としての傾向が強いから、もともとそういう性質があるのだろう。
それよりも、フルーツを上品に料理したり加工することと女性を引きつけるというのは(できれば常に)、これは〜、オレには難問だぞ、どうしよう!。

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