那須高原のベリー探訪
 栃木県の那須で、果樹園を作っている(仮名)ロッキーさんからメールをいただいた。
リンゴやブルーベリーを植えているという。
オレは連休中に那須高原に行く予定があったので、ぜひ見たくなって寄っていくことにした。
クルマは走る走る。

写真
白い雪をかぶった山が見えてきた
2002年4月27日撮影

 新緑の季節で田植えが始まっているのに、山のてっぺんの方だけ雪が見えて、それが青空に冴えて、景色としては最高にいい。
まるで、日本アルプスみたいだ。
雪山というもの自体が、オレにはなじみのない光景なので、たいへん感動してしまう。
その雪をかぶった山に向かって、進む進む。
そのふもとが目的地だ。

 と、その途中に、めっちゃオシャレな雰囲気の家が忽然としてある!。
あれは何!、イナカの日本家屋と違って、おとぎの国のようなかわいい家があるじゃないか。
もうここは栃木県の那須町。
天皇陛下が夏の避暑にやってくることで有名な御用邸もある那須高原の町なんだ。
最近は、別荘といっても、永住型の本格住宅が多くなっているので、仮住まいでなく一年中住んでいる人が多いみたいだ。

那須の良い位置
 那須高原のブルーベリーについては、行く前に一応調べておいた。
高原の涼しいイメージから、ブルーベリーは多く栽培されていると思ったが、インターネットでいくら探しても、那須地方のブルーベリー農園は見つからなかった。
こりゃあ、ロッキーさんちのブルーベリー園は貴重だぞ。

写真
絶景かな。場所はヒミツ
2002年4月27日撮影

 いざ、那須の良い位置、ロッキーさんちのおうち見参!。
なにしろまだ五月の連休前で、ブルーベリーの果実は熟していないので、畑の様子を見せてもらった。
畑は三枚あり、ひとつ一反(一反=十アール=三百坪)ぐらいかな。
ロッキーさんがいうには、土地を買って、新しく果樹園を作っている、とのこと。

 土地を買うといったって、土地の値段ってスッゲー高いと思うし、畑の合計が約千坪として、宅地は坪あたり二十万円ぐらいだろうけど、山林はずっと安いから坪三万円として、えーと、畑だけで三千万円か。
住宅の建築費を含めると、総額は五千万円ぐらいかな?。

 ロッキーさんってチョーお金持ち、と思っていると、ロッキーさんいわく「坪一万円しないですよ」という。
えっ!。
造成も要るから坪一万円としても、千坪の畑を一千万円か!。
うむうー、ペンションのようなハイカラ自宅でブルーベリー等の果樹に囲まれた暮らしは、全くの夢物語というわけではなさそうだ。

参考URL(2000年8月6日時点のURL)
茄子のよいち漬本舗 島村俊商店(那須与一(なすのよいち)公って?を押す)

※追記 後日2002年10月27日に見つけた那須のブルーベリー園URL
那須高原ブルーベリー園

ペンションと和製ラズベリー
 ロッキーさんちにはピートモスの袋がものすごく大量にある。
斜面を削って山土むきだしの造成地を買ったため、土が痩せてて雑草も生えなかったという。
ブルーベリーを植えるために大変な労力がかかったことが想像できた。
収穫期まではまだしばらく日数がいるので、後日また来ることにした。

 そしてクルマでしばらく走ったあと、那須高原の最高級ペンションに到着。
ボランティアというかアルバイトというか、ペンションの住み込み体験をしちゃったぜい。
で、五月の連休は瞬く間に過ぎ去ってしまったようなカンジ。

写真
早朝のペンション。これから朝食の準備が始まる。
2002年5月6日撮影
那須高原 ヴィンテージ倶楽部

 オレは自宅に帰り、そして六月となり梅雨の季節となった。
那須に行こうか?。
ロッキーさんちのブルーベリー収穫期は七月ごろだから来月だな、と考えていた。
梅雨入りしてから、あることに気がついた。
というのは、園芸品種のラズベリーが、果実が腐ることにウンザリしたんだァー、オレは!。

 なんであんなに腐りやすいんだよ、西洋種だからかァー?。
ああ、そうだ、ロッキーさんが言うには、ラズベリー専用の畑は作ってないそうだが、クマイチゴという野生の木苺が、家の周りにたくさん生えているという。
日本の気候を長年生き抜いてきた「ネイティブ・ラズベリー」なら、これを栽培するなら、おお、これならどうだい!。

 そもそもクマイチゴって、何?。
オレの近所では全く無いので、見たこともない。
クルマは疾走して、景色は流れる流れる。
峠の山道で、見慣れない木イチゴを見つけた。
これか?。

写真写真
茨城県と栃木県の県境の峠にて(美和村)
2002年6月29日撮影

那須野ネイティブ・ラズベリー
 これは…クマイチゴだな!。
木が大柄で、茎がやたらとぶっとい。
根元は二センチくらいありそうだ。
果実の味は充分おいしいじゃん。

 あいにく、ここでは、生えている本数も果実の数も少なくて、よくわからんなあ。
那須高原のロッキーさんちに向かう。
おお、あったあった!。
峠で見た木イチゴとそっくりじゃん。

写真
写真中央の一本棒の樹形のものが、今年伸びたクマイチゴの新枝。樹高約1.5m
2002年6月29日撮影

 しかもここにはたくさん生えてる!。
たくましい枝、二メートルに達する木の高さ、迫力あるトゲ、人里よりも山間部の地域に生えているところなど、まったく、クマ男みたいなキイチゴだ。

 欠点は?。
クマイチゴは、豊作と不作の年の差が大きいそうだが、なにせ梅雨時の最中のこともあってか果実の痛みが多いなあ。
部分的に腐って黒ずんだり、虫が食ってたり。
キレイで清潔?な果実は少なくて、う〜む、日本の野生で大昔からあるキイチゴなんだけど、梅雨の雨に痛んでどーする。
わざわざ畑に植えたり庭の園芸品種とするには、ちょっと無理っぽいね。

つづく

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