硫安をだんだん増やしていった
 硫安はやりすぎると枯れるということだから、最初の投与はおっかなびっくりだ。
鉢のわきっちょの方に少し与えた。
あまり変化なし。
あったような気もするが。

 鉢増しの植え替えのときに、根に触れないようにして、内部の奥の方に硫安を入れてみる。
生育の効果、あったようなないような…あったとは思う。
鉢増しの植え替えは、何十何百回もあったので、そのうちだんだんめんどくさくなる。

 硫安というのは、水分を吸うと固まりやすいんだ。
最初、粉の粒々だったものが、湿気を吸うと、固まってきて個々の固まりとなる。
ピートモスに水をやりながら肥料をやっていると、肥料袋の中にも水滴が入ってしまいそうで、いちいち面倒くさいというか、そもそも発育の効果があるんだかないんだかよくわからないためもあって、ピートモスと水の混合中に、硫安もまぜてよーく混合、植木鉢に植えてしまう、という乱暴なやり方にかわってきた。

 育ちは?。
枯れることはなく、意外と大丈夫である。
だから、また、硫安の入れ方がまた雑になり、だんだん量も多くなる。
発育は?。
育つ効果は、確かにあるようだ。

 確かに育っているようだなっと。
硫安の量をさらにふやす。
ふやすと、鉢の表面のピートモスにコケが生えて、緑色になってくる。
コケが生えるというのは、肥料過多の証拠だそうだが、ブルーベリーは、まだ大丈夫だ。

 コンテナ一杯は、三十リットルぐらいだと思うが、片手一握りの硫安、六十グラムぐらいだと思うが、そこまで大量に与えてみた。
これはピートモス一リットルにつき、硫安二グラムということになる。
多すぎたかな、と最初思った量だったが…あとで、葉っぱが縮れて枯れてしまった。
ここまでやると、多すぎ、ということがわかった。

どのような配合がいいか?
 それぞれの配合比はどのくらいが良いか、カンタンなシンプルな比率にしてみた。
ピートモス一、モミガラ一、その混合土一リットルにつき、硫安一グラム。
シンプルで作り易いし、ブルーベリーもよく育つ。
これが現在(二〇〇四年十月二十六日)のところ、オレなりの答えだ。

 モミガラを使わず、ピートモス百%に硫安を加えて、鉢植えしたこともあるよ。
オレの水やりの回数が少なかったためか、一部の鉢で、水が滞留したのかドブの臭いがする用土が発生してしまったのと、一番の大問題は、ピートモス百%は過剰に乾くと、コチコチの『乾パン』みたいになってしまうのだ。
ピートモスが乾パン状になると、水をやっても、なかなか吸わない。

 真夏で暑くて、用土が乾いているのに、水をやっても吸わない、ことには、ものすごく困った。
それまで、モミガラがかなり混じっていたときは、固まった表面でも指でかきまわしてやるだけで、水をけっこう吸い易い状態に砕けてくれたので、ここでモミガラを混ぜる長所を知ったわけだ。

 モミガラを使うのは、オレにとってはコスト節約を大きな目的としているので、ブルーベリー用として最良を目指すならモミガラの比率はもっと少な目じゃないかと思うが(ピートモス二のモミガラ一か?)、用土の最適混合比は、オレはまだ解明していない。
ま、稚苗とか、衰弱した苗とか、なにかワケありのときは、モミガラを少なく配合してピートモスを多めにしている。

 そもそも鹿沼土を買うカネも惜しんで、代用品としてモミガラを使っているわけだ。
結果として、ピートモスを使わない場合、鹿沼土を使わない場合で、それぞれの場面で、オレは痛い目に遭うわけになった。
とりあえずシンプルな材料(ピートモス、モミガラ、硫安、だけ)と、シンプルな配合比(一対一で混合および、混合土一リットルにつき硫安一グラム)で、これでブルーベリーはなかなかよく育つんだから、これでいいんじゃないかい。

でかい鉢ほど水持ちがいいけど、ピートモス作り間に合わず
 あとの問題としては、水やりの大変さだ。
ずぼらなオレには毎日水やりなんてとんでもない!。
できるわけもないし、今だってやっていねえよ、そんなあ無理だわさ。

 そこである対策があった。
でかい鉢ほど水持ちがいい、ということだ。
できるだけ大きいのがいいというわけで、あまり値段が高いのはイヤだが、また重すぎても困るが、安いのがいい。

 というわけで、オレはコンテナに植えた。
黄色のコンテナで、農業用で、ボックスとも言うかもしれないが、見ればわかる毎度おなじみのものだ。
これに入れた。
網目というか穴だらけなので、穴ふさぎに何がいいか考えて、水田用の波板をつかってみた。

写真
波板のおかげで、コンテナから抜くのが容易
2002年12月29日撮影

 挿し木したばかりのチビ苗がたくさんあるので、鉢増しして、できるだけ早くこのコンテナに植え替えたかった。
何しろ、小さなポットは、乾くのが早いんだ。
だが!、コンテナの容量がでかすぎて、せっせとピートモスを水に溶かして大量に用土を作っても、無理してやっても、コンテナ数個分にしかならない。

 最大でも一日五個ぐらいしかできなかった。
これじゃ、数が足りないよう。

だんだん大きな鉢に植え替えていくと発育がいい
 水に湿らしたピートモスが不足しているわけで、仕方ないから、小さな苗のうち、大きめに育ったものから、一回り大きな鉢に植え替える、という方法をとることにした。
コンテナよりもずっと小さな容量だから、ピートモス用土を一固まり作ると、かなりの数の植木鉢に充填することができる。

 と、ここで意外な効果を発見。
なかには、チビ苗を、直接コンテナ鉢に植えたものがあるんだ。
それでその苗が元気よく育つかというとそうでなくて、たいして育たないものが結構多いんだ。

 でも、小さな鉢から一回り大きな鉢へ何度も植え替えた苗は、意外なことに、この方がよく伸びるんだ。
植え替えは、根っこを傷める、というのがオレの考えだったが、ブルーベリーに限っては、あまり根は痛まないようだ。
むしろ、植え替えによって、新鮮な用土に触れて、ブルーベリーは、かえって発育旺盛になるようだ。

 というわけで、せっせと鉢の植え替え作業だ。
もう、二〇〇三年の初夏は、この鉢増し作業の大連続。
百本ぐらいの苗を、一本の苗につき、小さな鉢から段々大きな鉢へと植え替えて、そこからまた育ったら、さらに一回り上の鉢へと植え替えというわけで、いちいちやるんだから、大変な数の作業だ。

まだ当分つづく

作者を誉めるメールを送ってくれえ〜!
▲目次へ戻る