相手にしゃべってもらおう
 反省と緊急の対策として、どうするか?。
では、共に考えるという路線で行こう。
その人はお店を作りたいという願望があるわけで、料理の修行や創業の勉強もしているそうなので、オレは自分でしゃべるよりも相手にしゃべってもらうべきと気付き、「どんな勉強を?」と質問を投げてみた。

 その人は言った。
「例えば、椅子の数ですね。こんなふうに建物内で椅子の数をきめるときは、売り上げとお客さんの回転率を計算して、店舗面積坪当りどれくらい売り上げるか考えるわけです。満席率は〇・七くらいだと客席回転率からみて椅子の数をもっともよい数になるように計算して最適値を出せばいいわけです。そういう勉強とか。」

写真写真写真
これらの写真はイメージです。

 相手にしゃべってもらっても、オレには全く未知の内容が出たので、どう相づちを打てばいいのか、すっごく困った。
難しいハナシだ。
椅子の数を調整して収益率を上げるという話だろうけど、かなりの売上高がすでにある状態でさらなる向上を狙った業務改善の話なので、今のオレの農園経営の起業で、どうやって立ち上げるか、どうすれば軌道にのるかという話とは、かけ離れ過ぎて未来すぎていると思った。

 また、せっかく勉強した話なのに、現実に今この場の客席回転率を大まかに出すならともかく、ちょっと他人事のような説明だし…、
だが、この話を否定するべきでもなかろう。
今は相手の女性にオレが気にいられることが第一だ。

 どう答える?。
こんな場合は、意見の違いがあっても、それが理解的にわからず受け入れられなかったとしても、指摘して対立するよりは、ここは流すか何かして、否定はやめとこう。
「まるで税理士みたいですね」と、オレはトンチンカンなことを答えた。

つづく

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