お金を貸してくれる人はいますか
 このとき、その人がどう考えていたかは、表情をよく見ていなかったからよくわからない。
「…お金を借りるあてはありますか?。知り合いのなかで、お金を出してくれてもいいという人はいますか?」
と、その人が言った。
この質問もオレには痛かった。

 いねえよう、友達だってお金の貸し借りはすんな、というしな…と思った。
そのお金を貸してくれる友達以上の知り合いだ。
お金を貸してくれるといっても、数千円とかじゃなくて、何十万、何百万円(一千万以上?)という大金を貸してくれる人が、あなたにはいますか?という質問だ。

 「いない」と答えるのは、我ながらみじめすぎると思った。
「銀行で借りるようにする」とオレは答えたが、その人は納得しないようだった。
でも、そもそもオレは、借金とか、他人にお金を出してもらうことは良くないことという概念がある。

 第一、ブルーベリーの栽培をよく知らない他人が絡むと、落ち葉やワラは燃やせだの(ブルーベリーのマルチは燃やして綺麗にしろ、と言っているのだ)、休耕田に浅植えしたのを見て、「もっと地面掘って深くしっかり植えろ」と、過湿な土地なのにそういうことを言ってきて、金を出してもらっているとなると、いちいち責め立ててくる言葉を聞き流すことは難しいことで、言うことを聞かなければ経営権をとりあげられるだろうから、ウザイったらありゃしない。

 それにしてもなあ。
お金を出してくれる人がいればそりゃあ素晴らしいことと言いたいが、そもそも若い女性に起業のための大金を出してもいいという話があったようだが、それはパトロンというか、別の目的があって金を出すんじゃないかと、どうもオレは連想しちまうね。
ちなみに、独立起業の雑誌を見たら、起業家のためにお金を出す人のことをエンジェルというらしい。

写真写真
トレーラーハウスなら農地にも置けるので、チェックはしている。


※個人情報的補足:「果樹園起業のお見合い恋愛結婚プレゼンテーション」は事実なのか?独身なのか?という疑問について補足すると、この話は小説や作り話じゃなくて、昨年夏(2005年)にあった事実の話だーよ。ただ相手に良く見られようとして、夢の語りは実情よりも誇張気味。そしてオレは独身である。一度結婚していたことがあるが、…離婚したわけよ、そのことは果樹園日記内では書きたくなかったので、今までほとんど触れてこなかったけどな。

まだつづく

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