ブルーべリー接ぎ木情報2017春号
 スパルタンの穂木が現在40本余剰がある(2017/3/1現在)。
というか、オレが自分の園で自分自身が使うのは穂木のA級品ではなく、ハンパなB級品で充分だから、A級品を用意するときにその過程で出るB級品を使えば済む・・・。
とあれ、太すぎず細すぎず、真っすぐで、接ぎ木用の穂木としては最適なA級品サイズのものが40本余ったので、これはお金に換えたい、というわけで、販売する。
1本50円だが、梱包の手間の都合により、20本ひとまとめで1000円。
送料500円を合わせて、総額1500円。

【スパルタン接ぎ木用穂木 販売】20本入り 送料込みで総額1500円

欲しい人は、メールで送信たのむー。(2人応募があれば、もう完売だが。)
穂木を送ってくれえ〜!

【追記】3/21現在、完売しました。ありがとうございました
写真


 以上だけど、経緯をいえば数年前に何度かスパルタンなどの穂木を売ったことがあって、再注文が入った事情により穂木を用意したからで、その注文分は発送を終えたけど、今年は多めに穂木が採れたので余剰品がでた。
というわけで販売だ。

 ついでにオレ個人からの接ぎ木情報も載せておこう。
ノウハウ (know-how) だ。
スパルタンの接ぎ木って、接ぎ木の活着が悪い!。
半分ぐらいしかうまくいかないんだ。
5割成功、5割失敗だ。

 しかも5月以降伸びても、その年の真夏に枯死してしまうことがある。
それに一番多いのが、強風が吹くと接ぎ木部分から折れてしまうというか、接ぎ木が外れてしまうことだ。
よく伸びた苗ほど接ぎ木部分から折れてしまいやすい。
1年目だけでなく、翌年の成長のときにも折れてしまいやすいので、これが大ダメージで、つまり計2年ぐらいは添え木を当てて、強風で揺さぶられないようにヒモでくくり付けておかねばならない。

 スパルタンはぽっきり折れてしまいやすい。
接ぎ木部分からな。
しっかり固着したように見えてもね。
というわけで、10本接ぎ木しても、活着するかしないかでまず5割に減り、強風で折れるなどしてさらに2割が減り、最終的に残るのは、たったの3割、3本ぐらいだ。
失敗率が高くて困ってしまうぜ。

 接ぎ木失敗すると台木まで衰弱してしまうのが困り物で、ポット苗に1本ずつ接ぎ木すると、失敗して衰弱したポット苗がたくさん出来上がってしまうことになる。
ポット苗自体、挿し木から作るのにも2年もかかるのによ!。
というわけで、ラビットアイを露地であらかじめ育てて大きめの株に育て上げてから、その大株に3カ所以上接げば、そのうち1カ所は生き残ることになる、という方法で大体解決する。
3割成功なら3本接げば1本確保だ。

 オレは大株でも1株1本限定で接ぎ木して、タイヤをかぶせて大事に大事に育てていたが、強風で折れて台木も衰弱という目にあって閉口した。
だから、やっぱ3カ所ぐらい同時に接ぎ木するのが無難だったなー。
なお、接ぎ木は、太い切り口に接ぎ木してはいけない。
接ぎ木して、太い幹方向へと強風が吹いたときは接ぎ木部分は耐えられるが、薄く皮をはいで接ぎ木した側へ幹方向から強風が吹いたときは、接ぎ穂が外れて折れてしまうからだ。

 これも対策は簡単で、地面から生えるサッカーに接げば済む。
太さは穂木と同じぐらいか、少し太い程度ぐらいのものに。
活性の良さそうな元気よいサッカーに接ぎ木する。
3本ぐらいやればいい。
あいにく、ホームベルのサッカーは、細すぎるものが多い。

 細すぎるサッカーが出過ぎるが、その中でも太いサッカーを大事にして、細すぎるものは伐採する。
接ぎ木は1株につき、4カ所も5カ所もやると疲れるというか、オレの場合はタイヤをかぶせるので、広範囲に散らばっているとタイヤの範囲に収まらなくなるので、1株につき3本ぐらいが限度かな。



 ブルーべリーの接ぎ木では、台木の品種についても大事な情報だから述べておこう。
というのは、ブルーべリーは接ぎ木すると、台木からサッカーがあまりにも大量に出過ぎることが問題だ。
サッカーというのは、地面から新しく伸びてくる枝のことを言う。
ついでに、幹の途中から伸びてくる強い枝は、これはシュートという。
スポーツ用語みたいだな。

 ホームベルが台木としてよく使われたが、これが地面や根元から大量のサッカーが出てきて、閉口する、という問題が背景にある。
だからサッカーがでない品種というか、ラビットアイの品種によってはサッカーがあまりでない品種もあるので、それをわざわざ使うわけだ。
サッカーが出にくい品種を使えば、台木としては管理がラクだ、というわけだ。

 オレもその意見に一応賛成するので、フェスティバルという品種が最適だと思っている。
フェスティバルはT172ともいい、これはホームベルよりもサッカーが少ない。
しかも木としての発育もホームベルよりも旺盛だ。
また、ホームベルはクロロシスといって葉っぱが白っぽく脱色?してやや弱る現象があるが、フェスティバルはそれもない。

 なんといってもホームベルは細いサッカーが大量に発生するが、フェスティバルは太いサッカーが少数だけ生える、という特性があるので、フェスティバルは細すぎないので接ぎ木しやすいことだ。
サッカー苗を切り離して、新たな苗木にするのも比較的容易だ。
なお、フェスティバルにも欠点はある。

 フェスティバルの穂木の色はスパルタンとよく似ているので、接ぎ木作業するとき、切り詰めて捨てたつもりの枝と、これから接ぎ木するスパルタンの枝がうっかり混じってしまうと、見分けしづらいことだ。
一方、ホームベルの休眠枝の穂木の色は、緑色をしている。
冬でも茶色や黄色や赤じゃないんだぜ、みどり色だ!。
なので、これはホームベルだとはっきり見分けることができる。

 フェスティバル台木のスパルタンから、穂木を採取していると、台木から伸びたフェスティバルの枝とスパルタンの枝の色が似ているので、うっかりするとスパルタンの穂木採取のときに台木のフェスティバルの枝も混じってしまう。
という危険性がないわけではない。
注意して作業するし、フェスティバルの枝は白い粉が付いているから、見分けることはできるが、心配のひとつだ。

 というわけもあって、ホームベルは緑色として便利だし、サッカーの発生が多いから繁殖力は旺盛なこともあって、台木として使うことは二番目だけど補助的に使うことになる。
それに1品種に絞り込んで独占的に使うよりも、2品種を競い合わせながら並行して使う、というふうにした方が、なにかあったときの予備として、かえって良いものだ。
というわけで、ブルーべリーの台木としては、フェスティバルを主力としてオレは使っているが、補足用としてホームベルも使う。

 フェスティバルもホームベルも接ぎ木が失敗したとき、台木をそのまま育てて果実生産用にも使えればいいが、両方とも台木としては良くても、果実生産用としては駄目でなぁ・・・。
ホームベルは果実が小さ過ぎる。
フェスティバルは木は大きくなっても結実性がかなり悪い品種で、実の成りが少ないんだ。
だから、果実が良い品種としては、ブライトウェルとかバルドウィンも一応候補として考えられないこともない。

 ブライトウェルは果実の評判が良いが、経験からいってフェスティバルよりも木の発育が劣るので、台木としてはオススメしない。
地面からサッカーも出過ぎる。
発育や伸びがやや弱いので、わざわざ台木として育てるほどじゃない。
一方、バルドウィンはこれは太いサッカーが出るので、フェスティバルと似たような品種だ。
果実もよく成るみたいだけど、熟期が最晩生品種なのが、冷涼な高原で育てるには問題だ。
フェスティバルもブライトウェルもラビットアイとしては早生品種なのに、これを那須高原で育てると8月下旬という遅い時期までずれ込む収穫期になってしまう。

 9月になると雨が多くなって果実が腐ってしまう。
バルドウィンは、フェスティバルやブライトウェルよりもさらに遅く熟する品種なので、8月下旬よりも遅くなるようでは、まともな果実は期待できそうもない・・・。
というわけで、オレとしては台木品種の模索はこのくらいまでで、それ以上は調査しておらず、結局フェスティバルとホームベルがメインになっている。

 あと、ホームベルのサッカー多発については、大きな問題ではあろうが、バッテリー式のバリカンというかトリマーをカインズホームで買ったところ、このバッテリーバリカンでホームベルの木の下を払うと、キレイさっぱりサッカーは刈り取れる。
刈り払い機を使うまでもない。
という効果的な方法を発見したので、サッカー多発はあまり問題ではなくなっている。



 お次は、接ぎ木の穂木の品種選定についての情報だ!。
スパルタンは接ぎ木成功率が3割ほどで、失敗がやたら多い。
だから、ブルーべリーの接ぎ木、というのは普及しないのだと思う。
詳しく言うと、そもそも1ヘクタール1000本のブルーべリー園を維持したいとする。

 それを接ぎ木苗で、ハイブッシュブルーべリーを主体にしたいと思ったとする。
1株につき、3カ所接ぎ木するとして、1000株ならつまり、3000回も接ぎ木しなきゃならないんだぜ。
手間ひまかかる接ぎ木を、そんな膨大な回数、とてもできねえよ!。
だからブルーべリーの接ぎ木は、歴史が古いのにもかかわらず、結局、あんまり普及していない。

 じゃあ、売られている接ぎ木苗を買ってくるのは?。
でも、それを植えても発育が悪い!。
接ぎ木されたブルーべリー苗をな、何度も何度もオレは買って植え付けたが、成長は良かったとはいえない。
成長が遅くてね。
台木に力がないせいだと思う。

 台木に力を与えるには、あらかじめ植えておきたい場所に、ラビットアイの苗木を育てておく。
充分に大きく育ってから、その場で、その株に接ぎ木する。
居接ぎ(いつぎ)という。
こうすれば、活着率もよいし、成長も良い。

 ブルーべリーって、移植するとものすんごく衰弱してしまう。
とくに、スパルタンの接ぎ木苗を掘り上げて、別の場所に移植すると、木がひどく衰弱してしまう。
2年間は回復しない。
大幅に切り詰めないと、全然ダメなんだ。

 ブルーべリーの接ぎ木苗を買ってきて植えるのは、値段も高いことだし、結局の解決策は、自分で接ぎ木することだと思うね。
接ぎ木の回数が多いのに、失敗率が高くて普及しないことについては、品種選びが解決の一助になるので、それはこれから述べてみる。



 接ぎ木の成功率は、ブルーべリーの品種によって違う。
たまたま気付いたことだけど、南部ハイブッシュのサミットという品種を接ぎ木したら、これがあまりにもうまくいくことに気付いた。
10本やると、じつに7割ぐらいもうまくいくんだ。
スパルタンをやると、7割ぐらいも失敗するというのに。

 サミットの接ぎ木をその後も継続したが、秋の9月ごろ、そのころは芽接ぎの時期だが、青年実業家?だったオレもついにアラフィフに到達し、老眼が入るようなり、細かい芽接ぎが困難になった。
で、秋だというのにサミットを切り接ぎしたのさ。
つまり、春の接ぎ木と同じように、穂木の長さを10センチぐらい長くとって、台木に割り接ぎしたのさ。

 乾燥防止のため、メデールという接ぎ木テープを穂木にぐるぐるミイラ状に巻いて、乾燥防止して接ぎ木した。
そしたら、見事に活着したものが半数以上!。
秋だというのに成功率が6割ぐらいかな。
もう秋口なので、芽の伸びはイマイチだけどね。

 サミットという品種を春に接ぎ木すると、スパルタンと違って活着がいいうえに、スパルタンなどの北部ハイブッシュ品種というのは、真夏になると成長が止まってしまう。
しかし南部ハイブッシュであるサミットは、真夏であってもダラダラと枝が成長を続けるんだぜ。
スパルタンは初期成長がのろいといわざるをえない。
たとえ接ぎ木苗であってもだ。

 スパルタンやサミット以外のその他の品種も接ぎ木してみたら、違いはさらに明瞭化してきた。
南部ハイブッシュで、アーレンという品種がある。
これは最晩生品種で、エリオットの代替品種という解説もあったように思うが、実際にはそんなに最晩生ではない。
那須高原で8/1ごろから熟す。

 このアーレンだが、これも接ぎ木すると、真夏にダラダラと伸びる傾向がある。
晩生品種であるエリオットやカロラインブルーは、北部ハイブッシュだが、真夏になると成長が止まってしまう。
つまり、北部ハイブッシュは、スパルタンも含むが、接ぎ木しにくいものが多く、その後の成長も悪いものが多い。

 半面、南部ハイブッシュは接ぎ木しやすく、成長も良い、といっても、サミットとアーレンしか確認してないが、真夏に二次成長もしやすい。
ただ、南部ハイブッシュは新しいものは殆どがパテント品種に登録されて、接ぎ木してはいけないことになっている。
サミットとアーレンはパテントに登録されていないので、接ぎ木しても大丈夫だ。

 アーレンの情報をいえば、果実のサイズは中粒、接ぎ木成功率は中程度、伸び具合は中程度、という中堅というか平凡ぽい結果となっていて、サミットほど良くはない。
サミットの果実サイズは中の大、接ぎ木成功率は特に良、伸び具合も良し、味は酸っぱい。
が、レイトブルーなど酸味の強い品種は、収穫して冷蔵庫に入れておくと酸味が抜けてくる、という変わった性質があるので、サミットの酸味も結構抜けるんじゃないかなあ。
アーレンともどもお盆前の収穫期だが、冷蔵庫に貯めておけば、お盆の連休中には酸味も結構抜けてるのではないかと。

 1品種だけに独占すると何かあったとき失敗の打撃が大きい・・ので、サミットの補完品種はアーレンにしようとオレは思っている。
カロラインブルーは、接ぎ木成功率はやや不良、成長はやや不良、結実は不良で、オレが植えた敷地では全くダメだった。
この品種を独占的に植えたので失敗の打撃が大きすぎて懲りた。
エリオットも接ぎ木成功率はやや不良、成長はやや不良、結実は不良、最晩生品種でお盆販売用に可というのが取り柄だが、那須高原での栽培としては接ぎ木であっても全くの発育不良でダメダメの失敗品種となった。

 というわけで、スパルタンの接ぎ木でオレが失敗を重ねたのは、オレの技術やウデ前のせいというよりは、じつは品種の違いによる差だった、という予想外の結果がわかった。
なぜわかったかというと、同じように接ぎ木してサミットだと容易に成功続きだったからだ。
同じオレが同じように接ぎ木して、この差だからな。
ウデの差ではなく、品種による違いだろう。

 あと、発根しやすい品種は、接ぎ木もしやすいようで、レガシーという品種は発根が良いそうだから、これは北部ハイブッシュに分類されているが特性としては南部ハイブッシュみたいな品種だから、レガシーも接ぎ木すればこれもうまくいくんじゃないかとオレは予想はしている。
が、レガシーはまだやったことはない。

 やっても、熟す時期が中生品種なので、梅雨の真っ最中になる。
雨の中で濡れた果実は、ウジ虫が果実に湧く原因になるので、オレは調査や試験栽培に乗り気じゃない。
サミットは晩生品種なので、那須高原で栽培すると7/20ごろから熟すので、7/20といえば梅雨明けするころなので、ショウジョウバエの被害には今までの経験からいって、サミットはない。

 ウェイマウスについても接ぎ木情報をいうと、ウェイマウスは自根栽培をすると、細かい枝が過剰に繁茂してしまい、果実も小さ過ぎる。
しかし接ぎ木で育てると、枝の伸びが良く、過剰繁茂が解消されて適度によく伸びてから分岐して茂り、花芽もよく着き、接ぎ木台木のおかげで果実サイズも中の大ぐらいに大きめの粒になり、接ぎ木栽培に適している。
というか、ウェイマウスは自根栽培はやや不向き。

 熟すのは自根の方が早く熟して、接ぎ木苗は遅れるが、早く熟しても小粒が多いのは困るから、結局は接ぎ木苗の方がマシだった。
というか接ぎ木苗も年月が10年近くもたつと、もう、そんなに遅く熟すわけでもない。
ウェイマウスの接ぎ木成功率は、悪くはないが良いというほどではなく、中程度。
真夏の成長は止まってしまうが、他の北部ハイブッシュに比べると、成長は悪くはない。
果実はブルーべリーの中ではまっ先に熟すので、ウェイマウスはそれが取り柄で、果実が腐る病気にも罹らないので、オレは気に入っている。
とはいえ、ウェイマウスの本数は成木が5本ほどのままで、良い台木はスパルタンばっかり接いでいるので、ウェイマウスの木は増えてないが。

 アーリーブルーについても述べておこう。
これは接ぎ木専用品種で、自根では弱過ぎる。
接ぎ木すれば一応良く伸びるが、致命的欠陥として、熟し始めは粒が中の大ぐらいでまあまあの大きさだが、その後は中粒および小粒がほとんどになってしまう。
それに思ったほどには熟期が早くないので、というかスパルタンの熟期が早いので、スパルタンの特大の大粒が続々と採れ出す時期に、ちょうどアーリーブルーは中小粒が多く採れ出す、という傾向が強いことだ。

 しかも、果実が腐る病気、モニリア病だと思うが、これにかかる。
ウェイマウスとスパルタンは、モニリア病に耐性だと思うが全く罹らない。
育種的にその2品種のちょうど中間品種のアーリーブルーは、モニリア病に罹る、というのがなんとも不思議だ。
コリンズも罹る。

 というわけで、アーリーブルーはオレのうちではもう断念して栽培は減らしていくというか、台木はラビットアイなので、地面から出て来るサッカーにスパルタンを接ぎ木して、アーリーブルーは切り詰めていくことにしている。
切り詰めると大変よく伸びるようになるので、ブルーべリーって幹を更新すると、かえってよく伸びることに気付くことになった。
普段は幹を大事にして大胆には切り詰めないから気付かなかったが。

 オニールのことも言わなきゃならない。
この品種は、果実が腐る病気、モニリア病だと思うが、この被害が酷い。
100粒中、5粒ぐらいが罹るが、罹病した果実を食べるとウッ!とする味がする。
だからパックに詰めて出荷するのは甚だしづらい。
開花期は早いので、スパルタンの受粉用に残してあったが、北部ハイブッシュに南部ハイブッシュの花粉は交配するので受粉用には使える。

 オニールは果実も中粒が多く、剪定しても中の大ぐらいで大粒とはいえないし、接ぎ木すればもう少し大きな果実にできるだろうが、病気に罹るのを防ぐことができないし、オニールは2017年の正月ごろに断念して大幅に切り詰めてしまった。
これからはだんだんと他の品種に置き換えていく予定だ。
つまりオニール栽培はあきらめてしまった。
主力であるスパルタンの受粉は、一応ウェイマウスからの花粉ということになるが、そのウェイマウスへ花粉を供給する受粉樹は、まだない。
今まではオニールが担当していたが。
スパルタンは早生品種のわりには、開花期は意外と遅めだ。



 接ぎ木挿し、という接ぎ木と挿し木を同時にやる、という技術もある。
オレはかつてこれをやったが、失敗率がじつに95%以上という惨敗をしてしまって、それ以来やってない。
しかし!、だ。
穂木はスパルタンを使ったからで、スパルタンは通常の切り接ぎでさえも成功率が悪いことを思えば、というか、サミットの成功率の高さを思えば、つまりだ。

 サミットを穂木として、接ぎ木挿しするなら、ぐっと成功率が高まるはずだ。
まだ試してないが。
真夏にスパルタンは成長が止まってしまうが、サミットはダラダラ成長することを思えば、接ぎ木挿しで活着したサミットは、そのまま真夏を迎えても二次成長を続けるハズ。
たぶんな。
接ぎ木挿しの台木?は、ホームベルで充分だろう。

 というか、赤っぽい色であるフェスティバルを使うと、接ぎ木挿しで穂木のサミットの枝と混じってしまうと見分けがつかなくなって、フェスティバルにフェスティバルを接ぐとかヘマをやってしまいそう。
ホームベルなら緑色の枝だから、サミットと見分けが簡単につく。
あ、そうだ、スパルタンやウェイマウス、サミットなど穂木は同時に作業すると混乱していったん混ざると区別できなくなる。
だから、アクリルスプレー缶とかマーキングスプレーで、穂木に色を塗ってしまうと区別しやすい。

 とまあ、話が大幅に長くなってしまった。
ブルーべリー接ぎ木情報2017春号は、以上だ。
2017.3.1 記
作者を誉めるメールを送ってくれえ〜!
▲目次へ戻る